私が作りたいもの

雑貨屋で買った、パイプサンタとはさみを見ていて

こんな話になった。

はさみは、誰にでも一定の価値をもたらすものだけど

使えなくなったら、価値がなくなってしまう。

置物のパイプサンタは、全然約に立たないけれど、

価値がある人にとってはすごく価値のあるものだ。

パイプサンタは古びても味があるし、

何の役にも立たないけれど

見ているだけでただかわいくて、

人の心を癒したり、ほっこりさせたりすることができる。

私はこのパイプサンタをすごく気に入って中古で買った。

花も写真もそう。

はさみみたいに何にも使えないし、

何の役にもたたない。

だけど、人によってはとても大切で

プライスレスな価値をもつ。

私が、今つくっていて、

これからも一生つくりたいと思っているものは

誰にとっても一定の価値をもたらして、

時間が経ったら消滅するハサミじゃなくて、

ある人にとっては何の役にも立たないただの紙切れだけれど

またある人にとっては、決まりきった一定の価値を超えた

かけがえのない価値を持つことを思うとわくわくした。

だからこそ、１枚の写真をパイプサンタみたいに、

人の心を動かすようなそんな写真に

仕上げなければいけないんだと思った。