作品紹介

この作品は、

鳥の巣のように、

写真を幾重にも重ねています。

フワフワした繊細な鳥の羽や、冬の枝、

コスモスの茎や葉っぱ。

そして四季の記憶をひとつずつ、重ねました。

枝だけになった冬の木を眺めていると、

鳥の巣を見つけることがあります。

もう鳥は住んでいないですが、

あの小さな丸いかたちを見ていると、

思います。

たった一本の枝では、

ふかふかにはならないです。

一本、また一本と枝を運び、

少しずつ重ねながら、

あんな丸いベッドを作ってきたんだろうなぁと。

ものすごく時間がかかる、

膨大な作業量です。

私たちの「今ここ」は、

何気ない日常も、特別な時間も、失敗も、

これまで通ってきたもののすべてが、

層になって重なってできています。

そのひとつひとつは、

いろんな形、いろんな感情をしています。

つい、起こった出来事を、

いいこと、悪いこと、

とジャンル分けしてしまいがちですが、

そういう分け方じゃなくて、

ただ、無心になって、

薄く薄く、ふんわりと

重ねていきたいなと思います。

卵を温めるための場所を作る、

母鳥みたいに。

歩いてきた道を全部、

優しい風景にして、保存したい。

そんな想いで、この作品を作りました。

青空の下で集めてきた

四季の植物たちの開花とふかふかの優しい記憶