私が撮りたいもの

私は、結婚式のスナップカメラマンになりたかった。

でも、今は違う。

結婚式で新郎新婦が見せる笑顔や涙は、とっても魅力的だと思う。

今までの二人の人生が詰まっている。

でも、本当に二人が残したい二人だけの写真は

結婚式では残せないと思う。

写真は、結婚式というメインイベントの、

付属品になってしまうからだ。

それは思った以上に事務的で

形骸化した写真であることに気づいた。

誓いの言葉、キスシーン、ケーキカット、、、

確かに、それは一生に一度の大切なシーン。

だけど、決められたメニューであり、個性がない。

写真って、もっともっと、素敵なものだから。

それを、本当はもっとたくさんの人に知ってほしい。

写真は、被写体とカメラマンとの共同作業だから、

被写体の二人と一緒に、写りたい表情、シーン、雰囲気を

相談して、演出することで初めて、

心の通った写真ができると思う。

こんなイメージでとりたい、こんな雰囲気で、、、

それぞれ人が違えば、当然求めるイメージも違ってくるはず。

だから、私はじっくり1日かけて、写真を撮りたい。

写真だけのために二人の時間をもらいたい。

そうすれば、本当に二人だけの世界が撮れるから。

今はそう思う。

例えば、先日、結婚する前のある二人の1日を写した。

会話したり、リラックスしてもらえることで、

表情もとてもいいものが撮れた。

写真家は二人の愛を深く感じるほど、

それを形にすることができる。

何気ない一日が、後で見返せばかけがえのない、

宝物になる。

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